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第62回菁々祭
TDJのDJはディスク・ジョッキーなのでしてよ
昨年の第61回菁々祭で初登場し、重低音の響くビートで人気を博したT(DJ)²というイベントがあります。流行だけに囚われないオタク心を掴む楽曲の数々で、ステージは熱気に包まれました。中高の文化祭でのDJとはなかなか珍しいですが、それは如何にして会場を沸かせるのでしょうか。今年も行われる予定だというT(DJ)²について、リーダーにその魅力を語ってもらいました。
きっかけは「やってみたかったから」
———まずは、T(DJ)²の設立の経緯について教えてください。
リーダー:去年、新設されたばかりの団体です。先代の代表がもともとDJに興味があって、周りの人にDJを「やってみたい」と声をかけて回ったら「やってほしい」と好感触だったらしく、そういう中で去年のイベントパート長が「やってみよう」と決めたことでようやく実現したという感じです。
イベントパート:菁々祭を動かしてゆく文化祭実行委員会を構成するパートのひとつ。菁々祭を彩るイベントについて、ステージの設計・組立や、イベントのタイムテーブルの調整、パフォーマーの管理などの業務を一括して行なっている。
———有志によるイベントということですか。
リーダー:はい。去年も今年も変わらず有志が集まってやっています。ただ、VOCALOID&作曲同好会のボカロ班が多く入っていますね。
VOCALOID&作曲同好会:東大寺学園の同好会。略してボカ同。VOCALOID(音声合成ソフトを用いて作成された楽曲やそのジャンル)好きが集まり、その趣味を極めたり、「ボカロP」として作曲を行ったりして活動する。例年菁々祭にも出展し、楽曲発表などの展示は好評。

曲と曲を「繋ぐ」ことで生まれるステージ
———DJでは具体的にどういうことをするんですか?CDをくるくる回すイメージがありますが(笑)。
リーダー:最初にこういう曲を流してみたい、というのを、観に来てくれる方々の好みみたいなのも想像しながら決めていきます。そして、それを何回も聴くうちに「この曲とこの曲をこう繋ぐと良い感じにノれるようになる」みたいなひらめきが生まれるので、そういう「繋ぎ」をまとめて、ひとつのDJにします。

———曲同士はどのようなテクニックで繋いでいくんですか?
リーダー:いきなり曲を切り替えるカットインと、音量をフェードアウト、つまり段々下げつつ、次の曲をフェードインする(段々上げる)ことの2つが主です。
———そうして何分ぐらいのDJが出来上がるんですか?
リーダー:今年の公演だと1人30分ぐらいを予定しています。
———意外と長いような短いような…。それで何曲ぐらい繋がるんですか?
リーダー:詳しい内容についてはちょっと……。企業秘密なので(笑)。
———セトリのリークには厳しいんですね(笑)。
———その他に何か大切なことはあるんですか?
リーダー:僕個人としては、全体の流れを意識しています。例えば、2人が30分ずつの枠組みでやる時に、1人目が最初からいきなりキックの激しいHARDCOREみたいなのを流すとついていけないじゃないですか。だから、1曲目は穏やかな曲から始めて、途中にビルドアップしてドロップとかが入った曲にしていくとついていきやすくなります。そして、半分ぐらいになるとある程度ピークになると、ちょっとボルテージを落として、最後にまた盛り上げて終わる、という流れを大事にしています。
HARDCORE(ハードコアテクノ):1990年代ごろから流行した電子音楽のジャンル。BPMの高さや激しいビートが特徴的。日本ではアーケード音楽ゲームなどで耳にしがち。
難しい、だからこその唯一無二の魅力
———なんだかこれまでの話を聞いていると複雑に感じます。
リーダー:そうですね。やっぱり難しい部分はあります。T(DJ)²は他のイベントと違って、舞台に一人で立って、何十分もやらないといけないわけじゃないですか。
———それだけ一人でステージ全体を盛り上げるパワーだとか、観客のハートに刺さる曲を選ぶセンスとかも関わってくるわけですね。
リーダー:それに、こうすれば良い、みたいな手本があんまりなくて。もちろん、DJの上手い人がやってるものを見て勉強することはできるんですが、それをそのまま使うことはできないんです。どういう曲を流してどう盛り上げるかは自分で全部決めないといけない。これが難しいところです。
———なるほど。それゆえにオリジナリティも生み出されるってことですね。
去年からさらにパワーアップ
———去年の第1回に比べて、何か変わったことはありますか?
リーダー:人数と公演回数が増えました。前年度は4人で、1日目と2日目合わせて6回(6人分)の公演がありましたが、今年は7人、公演回数は両日で8回になっています。
———1日あたり4回もするんですか!?
リーダー:はい。1日目は体育館、2日目は音楽室と分かれてやりますが、どちらもそれぞれの会場の雰囲気の中で楽しめるので、ぜひ両日来ていただきたいです。後悔はさせません!

VOCALOIDで演者も観客も楽しく
———ボカ同が中心だということですが、曲のジャンルもボカロが中心なんですか?
リーダー:まあ基本的にはボカロが多いですね。もともと菁々祭にはボカロ関連のイベントが無かったので、そういう意味では新しいイベントということを念頭にやっています。ただ、東大寺学園には他のジャンルが好きだって人も大勢いるじゃないですか。ダンス団体だとラブライブとか坂道系のアイドルとかありますし。そういう人でも盛り上がれるように気を配っています。
ダンス団体:菁々祭のイベントのひとつ。4つある団体が、それぞれのコンテンツのコピーダンスを披露する。ここでの「ラブライブ」はアニメ作品『ラブライブ!』のダンス団体「ラブライブ!サンスクリット」、「坂道系」は櫻坂46といった「坂道系」のジャンルに大別されるアイドルグループのダンス団体「TDJ48」のことを指している。
———近年ボカロは一大人気コンテンツになりましたよね。昔は「オタク」のイメージが強かったですが、この頃は誰でも楽しめるものになっているように思います。
リーダー:やっぱり最近のボカロ人気に後押しされてる感じはありますね。舞台に立つ中にも中1や中2いたりと年齢層が若くて、最近ハマり始めたっていう人でも十分楽しめると思います。
———観る方もやる方も楽しめる、という感じで。
リーダー:そうやって会場全体で盛り上がると良いなと思います。DJ はやっぱり曲を聴いて楽しむもので、今年はボカロを中心としてサブカルの曲を流すわけですが、そういうジャンルの曲をあまり知らないという方こそ是非DJを観に来て、知らない曲との出会いを楽しんでほしいです。
———何か観客の方々に向けての意気込みはありますか?
リーダー:去年より人も増えて、パワーアップしたT(DJ)²を、ぜひ観に来てください!
大盛況だった昨年のT(DJ)²のYouTube動画は以下より視聴できます。
会場全体がスピーカーから流れるひとつの音に夢中になり、観客のそれぞれがビートに乗せて心を弾ませるT(DJ)²。自分たちのカルチャーを、他者の批評に臆せず、それでいて他者とともに楽しむ、これこそが文化祭である菁々祭の本質です。T(DJ)²はそれを最も体現するイベントのひとつでしょう。今回のインタビューでは、取材を受けてくれたリーダーのみならずメンバーからも真面目さと熱意が伝わってきました。菁々祭に足を運んでくださった際には、ぜひ、T(DJ)²を観てはいかがでしょうか?

